人権コラム

更新日:2025年01月13日

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市役所職員向けに作成したコラムです。

令和8年9月号 「自然災害への備え」

2026年9月29日

人権政策課

人権コラム50回「自然災害への備え」

   令和4年7月から始まった人権コラムも、今回で記念すべき50回目を迎えました。

   私事で恐縮ですが、兼ねてより気象学や地震学に関心が高く、前職の自治体では「防災」の担当をしておりました。今月は「防災月間」でもありますので、2026年に入って頻発している自然災害について、少しお話をさせていただきます。

   今年は大きな地震や水害が頻発していると感じる方も多いのではないでしょうか。国内で発生した主な自然災害は次のとおりです。

2026年に発生した主な自然災害(国内)(PDFファイル:1.3MB)

 

   比較的に災害が少ない県内北部でも、今年6月には生駒市で大雨により竜田川が氾濫し、浸水被害が発生しました。こうした事象はニュースで断片的に報じられますが、被災地ではその後も生活が続いていきます。自宅でそのまま過ごす「在宅避難」ができればそれが最善ですが、必ずしもそうとは限りません。住まいを失った場合、避難所での共同生活が始まります。そこでは、想像以上に多様な課題や思いがぶつかり合います。

 

● 生まれて間もない子どもを連れた家族、障がいやアレルギー、言葉の壁を持つ方などが、周囲の理解を得られずに孤立する。心ない言葉が飛び交う。

●「周囲に迷惑をかけたくない」「人目が気になる」という思いから、プライベートな空間を求めて車中泊を選択する。

● トイレに行くことをためらい、食事や水分補給を控え、結果として持病の悪化や体調不良を引き起こしてしまう。

 

   実際、平成28年熊本地震ではこうした事態が深刻化しました。避難所の駐車場には多くの自家用車が並び、大勢の方が車中泊を余儀なくされました。その結果、エコノミークラス症候群などを発症し、震災による直接の死者数よりも、その後の避難生活の中で体調を崩して亡くなられた「災害関連死」のほうが圧倒的に多くなってしまったのです。

   発災直後、被災地ではこれまで経験してこなかった局面に何度も直面します。その場にいる誰もが、身も心も極限の状態のなか、先行きの見えない過酷な共同生活を送るわけですから、避難所での生活が一筋縄にはいかないことは想像に難くありません。

 

   「人権」という言葉は、平時にはどこか遠いもののように聞こえるかもしれません。しかし、こうした非常時では、誰もが一人ひとりの身に「自分事」として突きつけられます。 率直な話として、過酷な状況下において、互いを尊重し、思いやることができるでしょうか?当然その時々の置かれた状況にもよるとは思いますが、相手を思いやる気持ちを少しでも持つためには、少なからず心に“ゆとり”が必要です。それを持つためには、やはり日頃からの準備(シミュレーション)が大切ではないでしょうか。「これまで災害が起きていない」は、裏を返せば発災時の「油断」「パニック」につながってしまいます。国内各地で起きている災害を決して他人事とせず、平時だからこそできる「備え」を、今一度考えてみたいと思います。

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