人権コラム

更新日:2025年09月22日

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人権コラム(8月号)

日本女性会議に向けて考えよう

人権コラム(第38回)日本女性会議に向けて考えよう

 

人権コラム第38回目を担当する人権・地域教育課です。

 

 【こども園を想像しながら読んでください。】

「〇〇ちゃん、なんか今日元気ないね。」

「念のために、お熱測ってみようか?」

「大変、39.5℃もある!」

「冷えピタ取ってくるから、すぐにお母さんに連絡して!!」

「わかりました。」

 

さて質問です。

この保育士さんのやり取りに、違和感はありませんか?

 

今回こだわりたいのは「お母さんに連絡」の部分です。なぜ、「お母さんに」なのでしょうか。例えば『看護は母親』とのイメージがあるのであれば、それはアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)かもしれませんね。さらに『仕事のことを考えると、お母さんが迎えに行く方がスムーズでは』とのイメージがあるかもしれません。事実として育休について男性の取得率が増えてはいますが、令和5年度のデータでは女性の84.1%に対して男性は30.1%で3倍近くの大きな差があります。また、今回の場面設定では短時間勤務利用率の数値の方が参考になるかもしれません。こちらの差はもっと大きくて、時短勤務利用率は女性の51.2%に対して男性は7.6%で、その差は6倍以上の大きな差となっています。短時間勤務なので仕事量には配慮があるはずです。しかし、仕事の責任について配慮することはできないので『短時間勤務=仕事を休みやすい』にはなりません。実際、緊急時の連絡については、事前に個人の携帯や職場の固定電話等の優先順位を聞いておき、それに基づいて連絡を取ることが多いのです。保護者として園や学校から質問されたときに、短時間勤務を理由に母親を連絡先優先順位の1番にしていることはありませんか。余計なお世話かもしれませんが、発熱時などの緊急時の連絡先について、家族で相談することから始めませんか。結果として短時間勤務の母親が連絡先の優先順位1番となり何も変わらなかったとしても、相談したのかしなかったのかは大きな違いだと考えます。短時間勤務についても同様で、保育園や学童のお迎えを考えると17時15分の終業では間に合わないことはあります。しかし、短時間勤務は女性だけが取得できるのではなく、男性が取得することもできる制度です。また、橿原市役所では父親と母親が同時に取得して、月・水・金と火・木と分散して取得することもできます。『短時間勤務は母親』のイメージがあるかもしれませんが、相談してから決めるというプロセスも選択肢の一つとしていただけると嬉しいです。

 

いよいよ日本女性会議の開催まで2ヵ月を切りました。男女共同参画社会の実現をめざして開催されます。今回テーマにした、『働き方』や『役割分担』についても、初日の10月3日に開催される9つの分科会のどこかでテーマになるのではないでしょうか。また、4日はシンポジウムや特別講演が行われる全体会、最終日の5日はかしはら未来会議が開催されます。上述した令和5年度の男性の育休取得率30.1%は女性と比較して低いのですが、令和4年度の17.1%と比較すると伸びています。今回の日本女性会議にたくさんの人が集まって、男女共同参画社会の実現に向けて、更に一歩前進する機会になればと思っています。

 

市役所職員向けに作成したコラムです。

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