発掘調査の成果(平成30年度調査)~本薬師寺跡、藤原京右京八条三坊の調査~

更新日:2024年02月29日

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橿原市教育委員会では平成31年2~3月に本薬師寺跡、藤原京右京八条三坊(橿原市城殿町)において発掘調査を実施しました。その結果、本薬師寺跡において初めて南門の存在を確認するなどの大きな成果が得られましたので、ここに紹介いたします。

発掘調査成果の概要

 特別史跡 本薬師寺跡には現在も金堂・西塔・東塔の基壇や礎石が地上に残されています。今回、これらの南側において発掘調査を実施しました(注意:調査地点は史跡地の範囲外)。調査の結果、本薬師寺の南門が地下に遺存していることを初めて確認することができました。南門は寺院の正面入口にあたる重要な施設です。藤原京以前の寺院で正門の状況が分かる例は非常に少なく、古代の寺院史上における貴重な発見です。

 南門を構成する遺構としては、基壇盛土、基壇外周の石敷、南門礎石の据付穴・抜取穴などが挙げられます。周辺での調査成果や平城薬師寺の伽藍配置との関係性から、今回検出した遺構は南門の北辺沿いにあたると考えられます。基壇の東西長は19.8メートルを測ります。

 南門全体の構造解明については今後の調査が必要となりますが、現時点で確認される南門の規模は東西長約15メートル(桁行3間・17尺等間か)と非常に大型です。これは藤原京以前の寺院の南門としては最大規模です。また、同時期の桁行17尺等間の規格で構築されている大型門の例は、藤原宮の主要な門である南面中門や大極殿院南門などに見られます。藤原京の一等地に築かれた国家寺院である本薬師寺も、これら国家の中枢施設と共通する規格を用いた立派な門を備えていたことが明らかになったのです。

 調査成果の詳細については、下記資料:本薬師寺発掘調査の成果2019.pdf をご覧ください。

調査区の写真。道路沿いの縦長長方形の区域に石などが見える。円形の4分の1の穴が2つあり、石が見えている。四角い区域のところどころに石が敷き詰められている。

左:調査区全景(東から) 右上:南門礎石抜取穴 右下:南門基壇外周の石敷(南西から)

本薬師寺跡発掘調査における南門基壇外周の石敷の写真

南門基壇外周の石敷

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