上ノ山遺跡出土絵画土器
(うえのやまいせきしゅつどかいがどき)
上ノ山遺跡からは、記号文が記された土器片のほか、鹿や龍などが描かれたと思われる絵画土器も出土しています。
大溝から出土した高さ25.2センチメートルの長頸壷(ちょうけいつぼ)の肩部には、抽象化された2体の動物が描かれています。頭部に角らしき表現があるため鹿と考えられる2脚で描かれた動物と、首が長いためスッポンと考えられています。共に曲線を用いて描かれており、体部は斜線や格子文を用いていません。また胴部には、曲線が刻まれています。
また別の壷の肩部には、龍が描かれています。中曽司遺跡出土の龍が描かれた絵画土器と同様に、ヒレ状の突起が表現されて、更に胴部は渦巻き状に描かれています。しかしヒレ以外にも手のように表現されている個所もあります。渦巻き状の線刻の上にも線刻がみられるため、更に上部に続きがあったと思われます。もしかするとこの渦巻きは、龍の頭部を表現しているのかもしれません。

絵画土器・長頸壷(スッポン)

絵画土器・長頸壷(鹿)

絵画土器・壷(龍)

記号文・絵画土器
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更新日:2023年03月28日