平成20年12月定例会意見書

更新日:2023年03月28日

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「食の安全確保」への取り組み強化を求める意見書

近年、食品の安全・表示に関する悪質な偽装や、有害物質の混入、事故米問題など「食の安全」を根底からゆるがす事件や事故が多発している。
特に事故米問題では、農林水産大臣と同事務次官が辞任する極めて異例の事態に発展した。業者の生命軽視の行為は厳しく処罰されるべきであるが、それ以上に、国民の生命と生活を預かるはずの農林水産省が、その責任を果たさなかっただけでなく被害を拡大させた責任は重大である。国民の不信、怒りは極めて大きい。
現在、農水省では「農林水産省改革チーム」を設置し、業務、組織の見直しを行うための取り組みを進めているところであるが、今後、同様の事態を二度と起こさないためにも、猛省と改革を強く促したい。
また、食の安全に関する問題だけでなく、近年相次いでいる消費者問題はどれも深刻な様相を呈している。政府の消費者行政推進会議の報告書(6月13日)によれば、これまでの消費者事件を検証した結果、やはり縦割り行政の欠陥が大きな要因として明らかになっている。こうした縦割り行政の弊害を、消費者中心に改革するため、内閣府の下に消費者庁を早期創設し、ここを起点に省庁横断的な消費者行政を推進するべきである。
ついては、政府において、以下の対策を講じられるよう強く要望するものである。

  1. 偽装表示を一掃するため、JAS法を改正し、直罰規程を設けるなど罰則を強化する規程を設けること。
  2. 農作業の工程管理や農場から食卓に至る衛生管理の普及・促進で食品の安全性を高めるとともに、トレーサビリティーシステムの確立で食品の流通を一層明確にすること。
  3. 輸入食品の安全に関する情報提供を迅速かつ適切に行うとともに、監視、検査体制の強化・拡充をはかること。
  4. 政策全般にわたり消費者の観点から監視し、強力な権限を有する消費者庁を設置するための関連諸法を制定すること。
  5. 不正な取引を行う業者に対し、迅速な立ち入り調査に基づく販売禁止や、製品の回収命令、罰則強化などを図るため、消費者安全法を制定すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年12月19日
橿原市議会

送付先

内閣総理大臣 農林水産大臣

関連リンク

リンク先の「決第19号」の欄をご覧ください。

暮らせる年金の実現を求める意見書

高齢者の中で、所得が公的年金だけしかない世帯は約60%にも上る。お年寄りの生活を支える大きな柱は年金であり、老後生活における年金の重要性は改めて確認するまでもない。
しかし、年金を受給していても低年金の場合が少なくない。高齢者世帯の年間の所得分布は、100万円未満が15.7%であり、6世帯に1世帯が100万円未満である。また、100万円から200万円未満は27.1%である。特に高齢の女性単独世帯の所得の低さは際立っており、3世帯に1世帯は年間所得が100万円未満であり、50万円未満という世帯も35万世帯にも上る。
所得が十分でないために、生活保護を受ける高齢者も増えており(05年調査で全保護世帯の38.7%)、日本の年金制度が高齢期の貧困を防ぐという意味において、十分に機能していない実態も指摘されている。
今後、高齢者の所得をどう保障していくのか、また明らかに生活保護に比べて低い現行の老齢基礎年金の給付水準をどう見直していくかが、一つの課題となっている。
将来の安心をより確固としたものにするため、2004年の年金改革を踏まえ、「暮らせる年金」の実現を目指して、新たに創設される「日本年金機構」のもと、より安心で信頼できる年金制度へと改革を進めるべく、政府においては、以下の点について特段の取り組みを行なうよう強く要望する。

  1. 基礎年金の国庫負担割合を平成21年4月から1月2日へ引き上げること。
  2. 基礎年金の加算制度の創設や、受給資格期間を10年までに短縮し、追納期間の延長など無年金・低年金対策を拡充すること。
  3. 高齢者の就労を促進し所得向上に資するよう在職老齢年金制度の見直しを行うこと。
  4. 障害基礎年金等の配偶者、子の加算制度を見直すこと。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年12月19日
橿原市議会

送付先

内閣総理大臣 厚生労働大臣

関連リンク

リンク先の「決第20号」の欄をご覧ください。

安心の介護サービスの確保を求める意見書

介護保険サービスを円滑に提供するため、3年ごとに介護保険事業計画や介護報酬の見直しが行なわれてきた。2000年4月にスタートした介護保険も来年4月からいよいよ第4期目。現在、各自治体で介護保険事業計画の見直し作業が進められ、社会保障審議会介護給付費分科会では介護報酬の改定に向けた本格的な議論も始まっている。
そうした中、現在、介護業界では収益の悪化や、低賃金による人材不足が深刻な問題となっている。特に、介護従事者の離職率は2割以上に上り、待遇改善が強く求められている。そのために介護報酬の引き上げが望まれているが、報酬引き上げは介護従事者の待遇改善につながる一方で、介護保険料の引き上げとなってハネ返ってくるだけに、慎重な議論が必要である。
よって、安心の介護保険制度として根幹を維持しつつ、介護サービスの拡充を図るために、政府においては、以下の点について特段の取り組みを行なうよう強く要望する。

  1. 介護報酬の改定に当たっては、介護事業の経営実態調査に基づき、地域における介護サービスが的確に実施できるよう、サービスごとの人の配置や処遇などに十分、留意の上、適切な引き上げを図ること。
  2. 介護報酬の引き上げが、1号被保険者の保険料の引き上げにつながらないよう、国において特段の措置を行うこと。介護保険料の設定については、保険料の所得比例方式への見直しや、市町村ごとの柔軟な決定ができるよう配慮すること。
  3. 必要な療養病床を確保するとともに、認知症対策を拡充し、地域ケア体制の整備・充実を図ること。
  4. 介護人材の確保及び定着のため、介護従事者の処遇の改善や新たに福祉・介護人材確保のための緊急支援事業を実施するとともに、雇用管理の改善に取り組むこと。
  5. 介護従事者の賃金を含む労働環境を充実させるための監視体制を拡充すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年12月19日
橿原市議会

送付先

内閣総理大臣 厚生労働大臣

関連リンク

リンク先の「決第21号」の欄をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

議事課
奈良県橿原市小房町11-5(かしはら万葉ホール)
電話:0744-47-3521
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