平成19年12月定例会意見書

更新日:2023年03月28日

ページID: 10034

生活保護基準の見直しを求める意見書

経済格差が広がる中、生活保護を必要とする人が急増し、保護受給世帯は100万を超えるまでになっている。生活保護は憲法第25条の生存権規定に基づき、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度であり、その役割は重要である。
ところが、市内生活保護受給世帯のうち50%を超える高齢世帯で、70歳以上の高齢者に支給されていた老齢加算が平成16年度から段階的に削減され、平成18年度に廃止された。また、母子世帯などに支給されている母子加算も平成17年度から一部を廃止し、さらに全廃されようとしている。いずれの加算も、加齢や一人親に伴う特別な需要に対応するものとして設けられてきたものであり、健康で文化的な生活を営む上で必要である。
長年働き、社会を支え貢献してきた困窮高齢者に対しては、安定した生活を保障すべきであり、また、少子化対策に社会を挙げて努力している今日、困窮母子世帯に対して、現実的な支援を行うことが求められている。よって、生活保護の老齢加算を復活し、母子加算を廃止しないよう求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 財務大臣

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リンク先の「決第16号」の欄をご覧ください。

メディカルコントロール体制の充実を求める意見書

外傷や脳卒中、急性心筋こうそく等の救急治療を要する傷病者に対する救急出動件数(平成18年)は、523万件余に上る。この救急・救助の主体的役割を担う人材が救急医および救急救命士等であり、一刻を争う救命処置とともに高い専門性が求められることから、救急隊が行う応急措置の質の向上を協議するメディカルコントロール(MC)体制の充実、特に医師による直接の指示・助言(オンラインMC)体制の整備が求められている。
しかし、都道府県の下、各地域に設置されているメディカルコントロール協議会では、救急救命士等が実施する応急手当・救急救命処置や搬送手段の選定等について、1.医師の指示・助言2.事後検証3.教育体制の整備等の手順および活動基準のマニュアル化が十分なされていないことから、早急に住民の目線からのMC体制づくりを推進すべきである。
今年5月に都道府県MC協議会を統括する「全国メディカルコントロール協議会連絡会」が発足した。国として各地域の現場の声を集約する環境が整ったことから、地域のMCにおける課題や先進事例等について、しっかりと意見交換をした上で、速やかに情報をフィードバックしていくシステムを構築すべきである。このような対応を進めることにより、救急治療を要する傷病者に対して、救急隊による適切な応急措置と迅速、的確な救急搬送が行われるようMC体制の充実を図るべきである。
以上のことから、下記の項目について国は早急に実施するよう、強く要望する。

  1. 全国メディカルコントロール協議会連絡会を定期開催し、地域メディカルコントロール協議会との連携強化を図ること
  2. メディカルコントロール協議会を充実させる為の財政措置の増大を図ること
  3. オンラインメディカルコントロール体制の構築を推進すること
  4. 救急救命士の病院実習や再教育の充実・強化を図ること
  5. 救急活動の効果実証や症例検討会の実施を図ること

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年12月18日
橿原市議会

送付先

内閣総理大臣 厚生労働大臣 総務大臣

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リンク先の「決第17号」の欄をご覧ください。

民法第772条の嫡出推定に関する運用の見直しを求める意見書

民法第772条第2項は「婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と、「嫡出推定」の規定を定めている。この規定は、もともとは法律上の父親をはっきりさせて子どもの身分を早期に安定させるためのものであった。しかし、制定から100年以上たった今、離婚・再婚をめぐる社会情勢の変化などもあり、時代に合わなくなっている。
例えば、この規定があるために、実際には新しい夫との間にできた子どもであっても、離婚後300日以内の出生であれば、前夫の子と推定され、出生届を提出すると前夫の戸籍に入ることになってしまう。そのため、事実と異なる者が父親とされることを嫌って、出生届を出さず、無戸籍となっている方々がいる。
そうした方々の救済のため、法務省は今年5月に通達を出し、離婚後妊娠の場合に限り、医師の証明を添付することで現在の夫の子として出生届を認める特例救済措置が実施されている。
しかし、この特例で救済されるのは全体の1割程度で、圧倒的に多いのは対象外となっている離婚前妊娠のケースである。離婚前妊娠に関しては、やむを得ない事情を抱えて離婚手続きに時間がかかるケースが多く、救済を求める声が強くなっている。
よって政府におかれては、慎重に検討しつつも、子どもの人権を守るため、離婚前妊娠であっても社会通念上やむを得ないと考えられるものについては現在の夫の子として出生届を認めるなど、嫡出推定の救済対象を拡大するよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣

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リンク先の「決第18号」の欄をご覧ください。

取り調べの可視化の実現を求める意見書

国民から無作為に選ばれた「裁判員」が、殺人や傷害致死などの重大事件の刑事裁判で、裁判官とともに犯罪を裁く裁判員制度が2009年5月までに施行予定である。同制度では、法律の専門家ではない国民が裁判に参加し、国民の感覚が裁判の内容に反映されるようになること、そしてそれによって、国民の司法に対する理解と支持が深まることが期待されている。
しかし、実際の裁判では供述調書の任意性や信用性などが争われることが少なくなく、ひとたび裁判員となった場合には、そうしたことに対する判断も求められることは必然で、法律家でない国民にとっては非常に判断に苦しむ場面に立たされてしまうことになりかねない。
裁判員制度導入にあたって、検察庁では現在、東京地検をはじめ各地の地検で「取り調べの可視化」を試行している。「取り調べの可視化」とは、捜査の結果、犯罪を行ったと疑われる被疑者に対して警察や検察が行う取り調べの全過程を録画・録音することで、可視化が実現すると、冤罪の原因となる密室での違法・不当な取り調べによる自白の強要が防止できるとともに、供述調書に書かれた自白の任意性や信用性が争われた場合には取り調べの録画・録音テープが証拠となる。
取り調べの可視化は、自白の任意性、信用性を迅速・的確に判断するための方策として、裁判員制度導入にとって不可欠な取り組みの一つといえる。もちろん冤罪事件を防ぐことにもつながる。
よって政府におかれては、2009年5月の裁判員制度実施までに、取り調べ過程の可視化を実現するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成19年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣

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リンク先の「決第19号」の欄をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

議事課
奈良県橿原市小房町11-5(かしはら万葉ホール)
電話:0744-47-3521
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