平成18年12月定例会意見書

更新日:2023年03月28日

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「法テラス」の更なる体制整備・充実を求める意見書

司法制度改革の一環として、法律サービスをより身近に受けられるようにするため総合法律支援法が2年前に施行された。同法に基づき「日本司法支援センター」(愛称・法テラス)が設立され、10月2日、全国で一斉に業務を開始された。
法テラスは「身近な司法」実現へ中核となる組織で、情報提供、民事法律扶助、司法過疎対策、犯罪被害者支援、国選弁護の事務などを主な業務としている。業務開始の初日だけで全国で約2,300件もの相談があり、期待のほどが伺える。
今後、法的トラブルの増加も予想されるだけに、法テラスは時代の大きな要請に応える機関である。2005年、2006年に鳥取、茨城県等で4回の試行を実施した結果からは、相談件数が年間100万~120万件を超えると予測されており、これに対応できるだけの体制整備が望まれる。よって、法テラスの体制をさらに充実させるため、下記の項目について早急に実施するよう強く要望する。

  1. 全国で21人しか配置されていないスタッフ弁護士を早急に大幅増員すること。
  2. 司法過疎対策を推進し、いわゆる「ゼロワン地域」を早急に解消すること。
  3. 高齢者、障害者などの司法アクセス困難者への配慮として、訪問や出張による相談等を実施すること。
  4. 「法テラス」について、特に高齢者、障害者、外国人、若者等に配慮し、きめ細かく周知徹底を図ること。
  5. 利用者の利便性を鑑み、「法テラス」は日曜日も業務を行うこと。
  6. メールによる相談サービスを早期に導入すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣

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リンク先の「決第15号」の欄をご覧ください。

「マザーズサロン」(仮称)設置の早期実現を求める意見書

少子化の要因の一つとして、子育てに対する「経済的負担」が挙げられている。働く女性の約7割が第1子出産を機に離職しているとのデータがあるが、出産・育児を経て再雇用を望む女性が少なくない。12歳未満の子どもを持ちながら求職活動を行っている女性は全国に約70万人、就業を希望していながら求職活動を行っていない者も約180万人存在している状況である。
そのような中、2006年4月に少子化対策の一環として、就職を希望する子育て中の女性を支援するために「マザーズハローワーク」が開設された。求職者一人一人の希望や状況を踏まえた木目細やかな対応が好評で、多くの方に利用され成果を挙げている。
しかしながら、「マザーズハローワーク」の設置は、全国12ヵ所11都道府県(札幌、仙台、千葉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡、北九州)にとどまっており、現在、サービスは大都市圏に集中している。そこで厚生労働省は、既存のハローワーク内に「マザーズサロン」(仮称)を設置し、同様のサービスを全国展開したいとしている。
再就職を希望する子育て中の女性は潜在的に多数いることに加え、少子高齢化による本格的な人口減少が見込まれる中で、社会の支え手を増加させる観点からも、子育て女性に対する再就職の促進を図ることは喫緊の課題である。よって、「マザーズハローワーク」未設置の36県に対し「マザーズサロン」(仮称)設置を早期に実現されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 財務大臣

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リンク先の「決第16号」の欄をご覧ください。

障害者自立支援制度の充実を求める意見書

障害者が地域で自立した生活を営むことができるように、必要な福祉サービスの給付や支援を行うことによって、障害者が安心して暮らすことができる社会を実現することを目的とする障害者自立支援法が昨年10月に成立し、本年4月から一部施行、10月から本格的に施行され、新体系サービスへの移行などが始まる。
しかしながら、この法律の施行後8ヵ月が経過した実態を見ると、原則1割の利用者負担を理由に、特に所得の低い者が通所施設サービス利用を控える傾向が顕著となっている。また、施設関係者などからは、施設報酬の算定が月額から日額に変更されたことにより、特に通所施設の経営が急激に悪化し、今後の運営に対する不安が高まるなど、障害者を取り巻く環境は大変厳しいものとなっている。
さらに、10月から新体系サービスに移行するグループホームや地域活動支援センターに移行できる無許可の小規模作業所にあっては、報酬額等が十分でないことから、移行に対する不安が高まっており、滋賀県が先駆的に取り組んできた「入所施設から地域へ」という流れが後退するのではないかという懸念がある。
よって、政府ならびに国会においては、この法律のねらいとする障害者のサービス充実、推進の観点から、下記事項に係る制度の見直しについて特段の措置が講じられるように強く要望する。

  1. 「入所施設から地域へ」という改革の方向を確固たるものとするため、通所施設の利用者負担の軽減措置をより一層強化すること。
  2. 入所施設を利用する20歳未満の者の負担軽減措置をより一層強化すること。
  3. 報酬日額化の影響が特に大きい通所施設に対する激変緩和措置を一層強化すること。
  4. 毎日の利用が困難という精神障害者の特性に応じて、精神障害者社会復帰施設の新体系移行後の運営支援を強化すること。
  5. 就労対策の抜本的強化を図るため、小規模作業所の移行先のひとつとなる地域活動支援センター事業について、先進的な地方自治体の水準を勘案して、内容を充実すること。
  6. 積極的な整備が必要とされるグループホーム、ケアホームについて、地域の実情とかけ離れた報酬基準額を是正すること。
  7. 障害程度区分の認定において、知的障害者と精神障害者に関して、実際に要する支援の必要性と比べて低く評価される傾向があることから、障害の特性を適切に反映できるよう改善すること。
  8. 地域福祉を先進的かつ積極的に進めてきた地方自治体における実施水準を低下させないよう、地方交付税措置、国庫補助金など国の財政支援を強化すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 財務大臣

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リンク先の「決第17号」の欄をご覧ください。

総合周産期母子医療センターの設置と周産期医療体制の充実を求める意見書

近年、診療体制の整備された分娩環境や極少低体重児に対する最善の対応など、充実した周産期医療に対する需要の増加に応えるため、地域において妊娠、出産から新生児に至る高度専門的な医療を効果的に提供する、総合的な周産期医療体制を整備し、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりの推進を図ることが求められている。
国は、すでに平成8年5月10日に、「周産期医療対策整備事業の実施について」(厚生省(当時)児童家庭局長通知)を都道府県に送り、「周産期医療システム整備指針」を示して、総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センター等のシステム整備を行うよう求めている。
奈良県においては、近年急速に少子化傾向が進み、直近の合計特殊出生率も1.12となって、東京都に次ぐ全国ワースト2となっている。少子高齢化社会の到来が社会問題化して、少子化対策が叫ばれているなかで、様々な取り組みが提起されているが、分娩を取り扱う医療機関についてみると、県下39市町村のうち26の市町村で分娩取り扱い医療機関がないという状況になっている。
特に県南部や山間部での事態は深刻で、僻地医療を担う県立五條病院の産科廃止という事態も、県民に言い知れない不安をもたらしている。
こうした状況の中で、本年8月町立大淀病院で分娩中の妊婦が意識不明の重体に陥ったため、他の医療機関への受け入れを依頼したものの19もの病院から断られていたことが判明した。この妊婦は6時間後にようやく収容された大阪の国立循環器病センターで男児を出産したものの、その後死亡されるという痛ましい結果を招いている。
奈良県においては、再来年1月までに県立医科大学附属病院にMFICU(母体・胎児集中治療管理室)6床及び後方病床12床とNICU(新生児集中治療管理室)の後方病床30床を整備し、総合周産期母子医療センターを設置するとしている。
しかし、奈良県における周産期医療体制としては、NICU(新生児集中治療管理室)43床及び後方病床79床が必要とされているにもかかわらず、その整備について明らかにはなっていない。
さらに、必要とされる地域周産期母子医療センターの整備については、県立奈良病院に設置する方向は示されているものの、具体化はされていない。また母体搬送に欠かせないドクターカーの導入についても検討課題とされるにとどまっている。
通常の妊娠・出産を受け入れる医療機関の減少が社会不安をもたらす一方で、晩婚化傾向や高齢出産などのリスクの高い妊娠・出産が増えていることを考えれば、周産期医療体制の充実は急務中の急務といわなければならない。
よって奈良県においては、一日も早く県立医科大学附属病院に総合周産期母子医療センターを設置するとともに、県立奈良病院と県南部地域に地域周産期母子医療センターを設置し、周産期医療体制の充実に努められるよう求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年12月18日
橿原市議会

送付先

奈良県知事

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リンク先の「決第19号」の欄をご覧ください。

医師・看護師等の増員を求める意見書

医療事故をなくし、安全・安心でゆきとどいた医療・看護を実現するためには、医療従事者が社会的な使命や誇りを持って働き続けられる職場づくりが不可欠である。
しかし、医療現場の実態はかつてなく過酷になっており、医師や看護師等の不足が深刻化している。
「安全・安心のコスト保障」が必要であり、診療報酬などによる財政的な裏づけを行い、欠員を直ちに補充するとともに、大幅増員を実現することが切実に求められている。過酷な労働条件を改善するため、夜勤日数の上限規制などの法整備が必要である。
よって、下記事項のとおり、予算の拡充・診療報酬の改善を行い、現場での増員を保障する医師・看護師等の確保対策の強化を要望するものである。

  1. 医師・看護師など医療従事者を大幅に増員すること。
  2. 診療報酬などの財源的な裏づけを行い、夜勤日数を月8日以内に規制するなどの法整備を行うこと。
  3. 看護学校等を増やし、院内保育所を充実させるなど、看護師確保対策を強化すること。
  4. 地域医療を充実させるために、医師確保対策を強化すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成18年12月18日
橿原市議会

送付先

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 奈良県知事

関連リンク

リンク先の「決第20号」の欄をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

議事課
奈良県橿原市小房町11-5(かしはら万葉ホール)
電話:0744-47-3521
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