平成15年6月定例会意見書
朝鮮民主主義人民共和国による拉致問題の早期全面解決を求める決議
朝鮮民主主義人民共和国による拉致は、国家ぐるみの犯罪行為であり、我国の主権、日本国民の人権を侵害した重大かつ卑劣な事件である。
平成14年9月17日、平壌において、小泉純一郎首相と金正日国防委員長は、日朝首脳会談を行い、日朝平壌宣言が表明された。この会談の中で拉致問題についての交渉があり、日本側の要求に応えるかたちとして、10月15日に朝鮮民主主義人民共和国に拉致された被害者5名の帰国が実現した。5人の帰国は、拉致が疑う余地のない事実であることを日本国内はもとより全世界に驚きを持って知らしめる結果をもたらした。拉致被害者とその家族は、暖かい家庭を引き裂かれるという苦痛を20年以上にわたり受け続けられ、同時に事実が何一つ当事者に伝わらないことによる不安と恐怖感に苛まれてきた。またこの長い歳月で、5人の帰国者だけでも7人の子どもという新たな命が授かったにもかかわらず、10月15日の帰国日を第1日目とする家族の離別が新たに発生している。帰国者以外の行方不明者及び朝鮮民主主義人民共和国の発表した拉致被害者の生存又は死亡の情報は、客観的な事実根拠のない一方的なものであり、真実がわかっていないという意味では、なんら20数年前の拉致発生時と状況は変わっていない。
橿原市議会は、日本政府に対して、日本人拉致問題の全容解明に向け、日朝平壌宣言にある「日本国民の安全に関わる懸案問題」を最重要課題として、拉致被害者と残された家族の早期帰国、また不明者の真相究明することを強く求める。
さらに官民を問わず、あらゆる国際機関、アムネスティ等に働きかけるとともに、橿原市民の協力を得て速やかな行動を行う。
以上を決議する。
平成15年6月18日
橿原市議会
(注意)上記の決議については、議長名をもって国の関係省庁、国際機関等へ送付いたしました。
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郵便投票制度等の改正を求める意見書
平成14年11月28日、在宅療養中のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者が「郵便投票において代筆が認められない現行の選挙制度は法の下の平等に反する」として国家賠償等を求めていた訴訟の判決が東京地裁で下された。判決は原告の訴えを退けたものの、その傍論の中で「原告等が選挙権を行使できる投票制度が無かったことは憲法違反と言わざるを得ない」と指摘した。
また平成15年2月10日、対人恐怖症で投票所に行けない知的障害者の男性が「郵便投票制度を重度身体障害者に限った選挙制度は憲法違反である」として、国家賠償等を求めた訴訟においても、大阪地裁により判決が下され、原告の訴えは退けられたが、判決の傍論において「現行制度は憲法の趣旨に照らして完全ではなく、在宅投票の対象拡大などの方向で改善が図られてしかるべきものである」と行政府の制度改善の努力が求められたところである。
これらの判決に関し福田官房長官も「投票困難な方々の投票機会を確保することは重要な課題と認識している」と発言している。 本市でも、障害のある方や難病の方々、また寝たきりの高齢者やALS患者などで投票所へ行くことさえ困難な方々にとって、権利行使への手続きが煩雑であるうえ、制度上の不備から投票権の行使が困難な状況にあるので、早急に制度上の不備を改善し、こうした方々の政治参加機会の確保を図るべきである。それは民主主義の観点からも重要である。
ついては、下記の通りの法整備を含め所要の措置を早急に講じ、もって投票権の行使の障壁を一刻も早く取り除くべきである。
記
- 障害者や難病者、要介護の高齢者等、郵便投票の対象者の拡大を図ること。
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者等、自筆が困難な人のために代理投票制度の導入等、投票機会の確保を図ること。
- 現在の郵便投票制度における資格証明や申請手続き等の簡素化を図るなど、障害の方々が容易に投票できるように改善を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づいて、意見書を提出する。
平成15年6月18日
橿原市議会
上記の意見書については、議長名をもって国の関係省庁へ送付いたしました。
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税源移譲を基本とする三位一体改革の早期実現を求める意見書
現下の地方財政は、バブル経済崩壊後の税の大幅な減収に加え、国が経済対策の一環として実施してきた国税・地方税を併せた政策減税、景気対策による公共事業の追加等の経済財政運営により、財源不足が拡大し、危機的な状況にある。
各都市においては、徹底した行財政改革を積極的に取り組んでいるが、個性豊かな地域社会の形成、少子・高齢化への対応、地域経済の活性化等の新たな行政課題に直面しており、真の分権型社会を実現するためには、自己決定・自己責任に基づく地方税財政基盤の確立が喫緊の課題となっている。
政府においては、平成14年6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(骨太方針第2弾)に基づき、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲等を含む税源配分のあり方を三位一体で改革し、6月末までに改革工程表をとりまとめることとされている。
この三位一体の改革に当たっては、地方分権の基本理念を踏まえ、地方分権改革の残された最大の課題である、国と地方の役割分担を踏まえた税源移譲等による地方税財源の充実強化が必要不可欠である。
よって
- 基幹税の再配分を基本とする税源移譲等の地方税財源の充実強化
- 地方交付税を通じた財源保障機能と財源調整機能は不可欠であり、これの堅持
- 国庫補助負担金の廃止・縮減は、単なる地方への財政負担の転嫁とせず、税源移譲等との一体的実施
これら税源移譲を基本とする三位一体改革の早期実現を強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年6月18日
橿原市議会
上記の意見書については、議長名をもって国の関係省庁へ送付いたしました。
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介護保険における通院介助の見直しを求める意見書
介護保険制度が始まって4年目となり、介護基準見直しのなかで第2期介護保険事業がそれぞれスタートした。介護保険制度もようやく定着してきたが、今回の見直しの中で新たな問題点も生じてきた。
今年の3月までは、要支援以上の認定を受けた人には、病院への介助を「訪問介護サービス」として介護保険サービスの対象となっていた。今回の見直しで新たに「通院介助サービス」が設けられるなかで、要支援の人は、病院への介助サービスの対象からはずされ「医者にいけなくなった」と深刻な事態も生まれている。介護を必要と認定された人に対して、従来どおりの介護保険サービスを保障するものは、当然の責務であると考えられる。
したがって本市のみならず、全国において要支援以上の認定を受けた人にも「通院介助サービス」を受けることが出来るよう、緊急に介護基準の見直しすることを強く国に求める。
以上、地方自治法第99条に基づいて意見書を提出する。
平成15年6月18日
橿原市議会
上記の意見書については、議長名をもって国の関係省庁へ送付いたしました。
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この記事に関するお問い合わせ先
議事課
奈良県橿原市小房町11-5(かしはら万葉ホール)
電話:0744-47-3521
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更新日:2023年03月28日