大人の風しんに気をつけましょう

更新日:2023年12月26日

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風しんってどんな病気?

風しんは、風しんウイルスによっておこる感染症で「三日はしか」と呼ばれることもあります。くしゃみや咳などで飛沫感染し、通常2~3週間の潜伏期間の後に、発熱・発疹・首や後頭部のリンパ節の腫れ・関節の痛みなどの症状がでます。一般的には症状は軽く、数日で回復しますが、まれに急性脳炎などの重大な合併症がおこることがあります。風しんは、一度自然に感染すると生涯続く免疫が体内につくられるため、その後風しんにかかることはないといわれています。この免疫は予防接種を受けることでも作られるため、事前に予防することが可能です。

なぜ、大人が風しんに気をつけないといけないの?

近年は、子どもより大人の間で風しんの感染が広がっています。日本での風しんの予防接種制度は、昭和52年8月から集団接種によってスタートし、これまでの制度改正で予防接種の対象者や接種回数などが何回か変更されてきました。この変遷の中で、予防接種を受けられなかった人や受けなかった人、かつ風しんにかかったことがない人が、大人になってから風しんにかかる恐れがあります。

どんな人が風しんにかかりやすいの?

1.昭和37年4月1日以前生まれ

→定期接種制度なし。大半が自然感染し、免疫を持っている。

2.昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれ

→女性のみ、中学生の時に1回、学校で集団接種。男性は定期接種制度がないため、免疫がない人が多い。

3.昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれ

→男女とも中学生の時に1回、医療機関で個別接種(幼児期に麻しん風しんおたふく混合ワクチン接種の場合あり)。個別接種のため接種率が低く、免疫がない人が多い。

4.昭和62年10月1日~平成2年4月1日生まれ

→男女とも幼児期に1回、医療機関で個別接種。接種率の向上に伴い、自然感染の機会が減り、予防接種をしていない場合は免疫がない人が多い。

5.平成2年4月2日以降生まれ

→男女とも幼児期に2回、医療機関で個別接種。

1~5に該当する方は、予防接種を受けているか、母子健康手帳を確認してみてください。

免疫がないかもしれない場合はどうしたらいいの?

予防接種を受けることが確実な予防となりますが、抗体検査を受けて免疫があるかどうかを調べることもできます。抗体検査を受ける場合は、結果について医師と相談の上、予防接種を受けるかどうか検討しましょう。

免疫がないとなぜいけないの?先天性風しん症候群について

もし妊娠中に風しんに感染した場合、生まれてくる赤ちゃんが「先天性風しん症候群」という病気にかかる危険があります。妊娠中、特に妊娠20週頃までの女性が風しんにかかると、母体を通じて胎児がウイルスに感染し、生まれてくる赤ちゃんに障がい(先天性風しん症候群)が生じるおそれがあります。

【先天性風しん症候群の症状】

・先天性の耳の病気、難聴

・低出生体重児(小さく生まれる)

・血小板減少性紫斑病

・先天性の目の病気、白内障、網膜症、緑内障

・先天性の心臓の病気、動脈管開存症 など

先天性風しん症候群の発症を防ぐためには、まず妊娠中に風しんにかからないように事前に予防接種を受けておくことが大切になります。また、妊婦に風しんをうつさないように周囲にいる夫(パートナー)や家族、職場の方なども予防接種を受けておくことも大切になります。

妊娠中は予防接種を受けることができません。そのため妊娠前に予防接種を受けておくことが大切です。予防接種を受けてから2か月間は避妊が必要になります。

※昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象とした風しんの追加的対策(抗体検査・予防接種の費用助成)を実施しています。詳しくは下記のリンクをご覧ください。