香久山正倉遺跡
(かぐやましょうそういせき)
天香久山の西北麓、藤原京西南隅に連なる藤原京左京六条三坊にあたる一帯は、平城遷都後も「香山正倉(かぐやましょうそう)」と呼ばれる役所が置かれていたことがわかっています、香山正倉は、730年(天平2年)の「大倭国正税帳」(やまとのくにしょうぜいちょう)に見える奈良時代の税務署です。発掘調査では大型の掘立柱建物を囲む方形区画の柵と溝、東西に横切る運河や井戸などがみつかり、「香山」と書かれた墨書土器などが出土しています。この地は木之本廃寺や、藤原京期の左京職がおかれた場所の推定地にもあたり、白鳳時代から奈良時代にも続く重要地域であったことが窺えます。なお、現在はこの場所に奈良文化財研究所都城発掘調査部があり、玄関や展示室でその様子にふれることができます。

奈良文化財研究所蔵
「香山」の墨書のある土器
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更新日:2023年03月28日