スタッフのつぶやき過去話5

更新日:2023年03月28日

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温室の小話、昔版。

6.スタッフのつぶやき過去5

サザンカがよく咲きました(平成30年12月24日)

昆虫館背後にある市営墓苑の開花したサザンカの写真

昆虫館の背後には市営墓苑があるのですが、そこにはたくさんのサザンカが植えられています。今年はそれがとてもよく咲きました。咲き始めて結構たったし、花びらもたくさん落ちているのでもう終わるかな、と思っていましたが、まだつぼみもあり、もう少し見られそうです。昆虫館にお立ち寄りの際には外を回って裏側のほうも見てみてください。【T】

全国昆虫施設連絡協議会の総会および研究発表会に参加しました(平成30年11月13日)

グローワームの成虫の写真

全国昆虫施設連絡協議会?耳慣れない団体かもしれませんが、全国の昆虫館が参加して作る協議会です。年に1度総会と各昆虫館の研究発表会、開催施設の見学などが行われます。今年は東京都日野市の多摩動物公園内にある昆虫園での開催でした。研究発表ではイベントや取り組み、飼育技術など各施設の発表がありとても参考になるとともに、こちらも頑張ろう!という気分になります。施設見学では普段は見学できない昆虫園のバックヤードを特別に見せていただきましたが、さすが多摩動物公園。規模も大きく歴史もある施設ですので、どこを見学しても圧倒されてしまいます。その中でもかなり珍しいものを見せていただくことができました。それが写真の虫。何かといえば実はこれ、グローワームの成虫です。グローワームはオーストラリアやニュージーランドの洞窟に住むハエの仲間で、幼虫は光を出して小さな虫をおびき寄せ、食べてしまうという不思議な生態を持っています。飼育はとても難しいのですが多摩動物公園では長年このグローワームを飼育しており、光る様子を幻想的に展示しています。ただ展示しているのは幼虫で、普段成虫を見ることはできません。そんな珍しい成虫を見せていただくことができたのです。見た目には大きなカという感じで目立つ昆虫ではありませんが、さすがは各昆虫施設の方々。見せていただいた瞬間、みんな興奮状態で写真を撮っていました(もちろん私も(笑))
写真の掲載をご許可いただくとともに、会を開催してくださった多摩動物公園様には深く感謝申し上げます。【T】

アサギマダラがやって来た、アサギマダラが飛んでいった。(平成30年11月6日)

羽に日付や番号などが書いてあるアサギマダラの写真

昆虫館の裏手、第2駐車場のフジバカマには連日アサギマダラがやってきていましたが、そろそろ終了のようです。その中には、調査のために各地の昆虫愛好家によって油性ぺンで翅にマーキングされた2匹が混じっていました。また、第2駐車場でマーキングされた1匹も遠くで見つかりました。その結果は以下の通りです。

  • 9月17日 長野県大町市でマーク→10月17日 橿原市昆虫館第2駐車場で確認
    (30日間で南西へ直線距離296キロメートル移動)(補足)写真の個体です
  • 9月27日 石川県白山市でマーク→10月18日 橿原市昆虫館第2駐車場で確認
    (21日間で南南西に直線距離221キロメートル移動)
  • 10月22日 橿原市昆虫館第2駐車場でマーク→10月30日 長崎県長崎市で確認
    (8日間で西南西に直線距離で600キロメートル)

特にすごいのが橿原市昆虫館から8日間で600キロメートルも飛んだ個体で、直線距離で600キロメートルですから1日100キロメートルくらい飛んでいる可能性もあるのではないかと思います。より詳しい結果は昆虫館の標本展示室2にてしばらく展示していますのでご来館された際には目を通してみてください。
情報を教えてくださった皆様、ありがとうございました。【T】

旅をするチョウ、アサギマダラが飛来中!(平成30年10月15日)

フジバカマの蜜を吸っているアサギマダラの写真

橿原市昆虫館の裏手(チョウの温室がある側)の第2駐車場では現在、ボランティアさんが植えてくださったフジバカマが開花中。その花にただいまアサギマダラが順次訪れています。
アサギマダラは春に北へ、秋に南へ渡りをするチョウとして知られ、中には2,500キロメートル以上飛んだ個体がいたことも知られています。今がちょうど本州など北の地域から琉球列島など南の地域への旅の時期です。フジバカマの花にはアサギマダラが大好きな物質が含まれているので旅の途中で立ち寄って蜜を吸っていくのです。10月中は見れるかなあと予想していますがもし昆虫館に来られた際には裏手にも回ってみてフジバカマの花でアサギマダラを探してみてください(少し立ち寄ってはすぐに旅立つので、もしみられなかったらゴメンネ!)。旅はしませんが、アカタテハやツマグロヒョウモンなどほかのチョウも蜜を吸いに来ていますよ。【T】

どうしてフランツなの?(平成30年10月2日)

セマルハコガメのフランツ君の写真

セマルハコガメのフランツ君。3月7日の記事で、なぜ名前がフランツなのかはまたの機会に・・・、と書いておきながらそのままになっていましたが、先日、その件について理由の発表はまだですか?とのご質問をいただきましたので書きたいと思います。それには深いような深くないようなわけがあるのです。
もともと飼育担当者(私です)はカメに名前を付ける予定はありませんでした。ところがフランツ君の水槽に近い新館情報コーナーにいた職員がある日、まだ名無しだったフランツ君のことを「かめ子」と呼び出したのです。(このままでは名前がかめ子になってしまう!カメにかめ子なんて、イヌにいぬ子、ハムスターにはむすたあ子と名付けるようなものじゃないか。)と脅威を感じた私は急きょ「エリザベス」という名前にすることにしました(ちなみに同時にニホンスッポンにはフランソワと名付けました)。名前の由来は特にありません。なんとなく仰々しい名前を付けたかっただけですが、仰々しいといえばこれくらいしか名前が思いつかなかったのです。そしてほかの職員の前でこれからはこの名前で行きます!と宣言したのですが、ついぽろっと「2匹ともオスですけどね」と言ってしまったのです。その結果、ほかの職員からはこの名前ではメスだと思われてしまう!との反発が・・・。反発の大きさに少しふてくされた私は、「じゃあエリザベスとフランソワに匹敵する名前を考えてくれー」と投げやりにいうと、職員の一人(情報コーナーの人とは別)がうーん、と考えた後「フランツとジョージではどうでしょう」と言ってくれました。そしてそれは私にも悪くない名前に思えました。ということでフランツとジョージに決まったわけです。

ニホンスッポンのジョージ君の写真

ところで時々「フランツ君の甲らが割れていますが大丈夫ですか?」とのお声をいただきます。フランツ君は近くの香具山で迷子になっていたところを昆虫館に届けられたものですが、その時からすでに甲らは割れており、すでに治った後でした。甲らが割れた当時は大怪我だったと思いますが、現在では甲らの割れ目こそ消えませんが完全に治癒していますのでご心配なく!【T】

フジバカマの威力!(平成30年10月2日)

群れて咲くフジバカマに群がるアサギマダラの写真

秋の七草でもあるフジバカマですが、ホームセンターなどに売っているのは近縁種と交配させた園芸種がほとんどです。しかし少し前に原種のフジバカマの種をいただきましたので、そこから育てて花を咲かせたものをチョウの温室に入れてみました。咲いた花は園芸種よりずっと白っぽかったのですが(失礼ながら少し地味・・・)、さすがはフジバカマ。マダラチョウの仲間を引き寄せる力はごらんのとおり非常に強力でした(注釈)。
(注釈)フジバカマにはピロリジジン・アルカロイド(PA)という物質が含まれており、フェロモンを作るのにこの物質が必要なマダラチョウの仲間(幼虫の食草にPAを含むオオゴマダラを除く)はこの花の蜜を非常に好みます。【T】

きれいなカメムシの展示はじめました(平成30年9月9日)

葉っぱの裏側で列を成す複数のオオキンカメムシの写真
葉の上で列を成す複数のアカギカメムシの写真
2匹のナナホシキンカメムシの写真

カメムシといえばくさーい生き物。でも中にはとってもきれいなカメムシもいます。特にキンカメムシの仲間はとっても美しく、昆虫愛好家の間では人気の種類です。そんなきれいなキンカメムシの仲間の展示を開始しました。展示しているのはオオキンカメムシ、アカギカメムシ、ナナホシキンカメムシ、ミヤコキンカメムシの4種(ミヤコキンカメムシは数が少ないです)。キンカメムシの仲間は卵を産ませてその卵から親まで育てる累代飼育が難しいのですが、オオキンカメムシは工夫して昆虫館で卵から育てたものです(写真は幼虫で、もうすぐ成虫です)。
もちろんカメムシなのでくさいにおいを出すけど、ガラスの向こうにいるのでくさくありません。その点はご心配なく。【T】

南の島で昆虫観察会 in 石垣島を開催しました!(平成30年8月30日)

お盆も明けたばかりの8月19日~21日に沖縄県の石垣島で現地集合・現地解散の観察会!
そんな無茶な企画で参加申し込みがあるのかどうか不安でしたが、募集してみると定員を超えるお申し込みのあった観察会が無事終了しました(抽選となり、落選された方々には本当に申し訳ありませんでした)。

網を持って歩く子どもたちと、虹のかかった空の写真
石垣島の森林の中で網を持っている子どもとそれを見守る人の写真

南国のエキゾチックな植物がいっぱいの森の中、本土よりもずっとたくさんいるチョウやナナフシ、イグアナを小さくしたようなトカゲ(サキシマキノボリトカゲ)やきれいな緑色のトカゲ(サキシマカナヘビ、石垣島では捕獲禁止なので観察だけ)、美しいカメムシなどたくさんの珍しい生き物たちに参加者も大興奮の観察会でした。

花にとまって蜜を吸っているヒメアサギマダラの写真
木のみの上に泊まるナナホシキンカメムシの写真

石垣市役所や石垣島のバンナ公園の方々にもたくさんご協力いただきました。誠にありがとうございました。【T】

昆虫館ロビーでスズムシが鳴きはじめました(平成30年7月3日)

鳴いているスズムシの写真

暑くなりやっと夏本番という感じですが、昆虫館のロビーではもうスズムシが鳴きはじめました。みなさんひとあし先に秋の涼しげな声を楽しんでくださいね!
ちなみによく鳴いているのは夕方ですが、昼間も鳴いています。【T】

橿原市でサソリモドキ!?(平成30年7月1日)

岩の上にとまっているサソリモドキの写真

少し前の話ですが今年の5月4日に私のもとに、
「こんな虫が死んでたんですが何という虫ですか?」という質問が写真とともにありました。
写真を見るとサソリモドキです。サソリモドキは日本では沖縄県にいるタイワンサソリモドキと、九州南部や奄美諸島、伊豆諸島の八丈島(八丈島のものは国内移入種です)にいるアマミサソリモドキの2種類がいます。この2種類はよく似ていてすぐには見分けがつきませんので、生息地から種類が分かるかと思い、「サソリモドキの仲間ですね。見たのは沖縄か八丈島あたりですか?」と返すと、「え?橿原市内ですけど。」と質問者。
思わず「んんんん?」と言ってしまう私。
死体はそのままにしてきたとのことで詳しい場所を聞いて行ってみると、幸いまだありました。胴体だけで5センチメートルくらいある立派なサソリモドキの成体で、死んではいましたがまだ新鮮な死体でした。さっそく回収して標本にしましたが、どうしてサソリモドキが橿原市いたのか謎です。サソリに似た姿で一部の愛好家には人気があるので、もしかすると飼われていたものが逃げたのかもしれません。
ちなみに今回は死体でしたが、生きたものにさわると強いお酢のにおいのする液体を飛ばしてきます。なので生きたものにさわるのはおすすめしませんが、サソリと違って毒はありませんのでご心配なく。飛んだり跳ねたりする虫ではないのであまり逃げられることはないと思うのですが、姿がサソリに似ているだけに知らないと騒ぎになりますので、もし飼われている方がいらっしゃいましたら逃げられないように十分ご注意ください。【T】

日本の国蝶「オオムラサキ」はじめました(平成30年5月29日、6月4日追記)

ガラスをたたいて刺激しないでくださいと書かれたオオムラサキのケースの写真
葉にとまっているオオムラサキの写真

今年も昆虫館友の会の会員さんの協力のもと、飼育しているオオムラサキの展示を開始しました。オオムラサキの生態上、チョウの温室にたくさん放してもいまいち姿が見えず毎年展示方法を試行錯誤していますが、今年はアクリルケースに入れて新館にケースを置いて展示してみることにしました。飛んでいる姿はあまり見られませんが、目の前でオオムラサキを見ることができます。これでうまく展示できるかしばらく様子を見てみて、もし不具合があればまた変えてみたいと思います。【T】
平成30年6月4日追記
6月4日より放蝶温室にも放し始めました。オオムラサキの習性上、放蝶温室では放している数の割にあまり見かけませんが、探してみてください。腐ったバナナなども設置しているので、その近くで吸汁しているのをよく見かけます。

ほぼ?かめ卍(平成30年4月28日)

セマルハコガメのフランツ君の写真
ミシシッピアカミミガメのラッキー君がめいいっぱい足を伸ばして日光浴している写真

3月7日にご紹介したかめ卍、ほぼその形(左前足が微妙・・・)になっている姿が撮影できましたのでご紹介します。秋から冬眠状態で寝てばかりいたセマルハコガメのフランツ君。4月25日からようやく目覚めてエサを食べ始めました。
すっかり日差しもあたたかくなったので、窓際に水槽があるミシシッピアカミミガメのラッキー君もめいいっぱい足を伸ばして日光浴しています。この姿勢は日光浴中のアカミミガメの仲間によく見られるもので、クサガメやニホンイシガメはここまで足をのばしたりはしません。【T】

この記事に関するお問い合わせ先

昆虫館
奈良県橿原市南山町624
電話:0744-24-7246
お問い合わせフォーム

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