スタッフのつぶやき過去話
温室の小話、昔版。
スタッフのつぶやき過去話
ギフチョウの展示を開始しました(平成28年3月23日)
昨年展示していた成虫から卵をとって幼虫を育て、蛹になってから半年以上も眠っていたものがとうとう羽化したのです。
ギフチョウは春の短い期間しか成虫があらわれないため、春の女神、スプリングエフェメラル(春の妖精)とも呼ばれています。残念ながら温室に放してもうまくは飛んでくれないため、新館で水槽に入れて展示をしています。寿命はあまり長くはありませんので見てみたいという方は急いで昆虫館まで!
成虫の寿命がつき次第展示が終了となりますので、まだ展示しているかどうかお知りになりたい場合は電話でのお問い合わせをお願いします。【T】
アサギマダラのマーキング(平成28年3月16日)
昆虫館では以前、温室に放しているチョウのうち、おもにマダラチョウの仲間のハネに油性ペンで羽化した日をマーキングして寿命の調査をしていました。しかし現在ではデジタルカメラでチョウを撮影する方が増えてハネの文字が写真のジャマになったりすることや、大体の寿命が分かったことから(オオゴマダラの場合、平均1ヵ月半、最大6ヶ月)、ほとんどのチョウにはマーキングを行っていません。そのなかでいまだにマーキングをしているのが旅をするチョウとして人気のあるアサギマダラのメス。じつは寿命の調査ではなく、アサギマダラは温室で飼うと羽化してから長い時間(最短11日、長いものでは2ヶ月近く)たたないと交尾してくれないため、卵をとるための母チョウを探すための目安にしているのです。それでも交尾するのは放したメスのうち多くても1割ほどと、なかなか累代飼育に苦労しています。交尾しているかどうかはおしりの先に小さな傷があるかどうかで分かります。【T】
バナナが色づいた!(平成28年3月12日)
チョウの温室にはバナナとその矮性品種(背の低い品種)であるサンジャクバナナ(三尺バナナ)が植えてあるのですが、そのサンジャクバナナに実がなりました。バナナは株を育てるだけならば簡単なのですが、実をたくさんつけさせようとすると水や肥料がたくさん必要だったりと意外に難しい部分あってチョウの温室ではなかなか見ることができません。
温室内の滝の上あたりで見ることができますが、黄色く色づいてきたので、見られる期間はあと少しかな?ちなみに一度実がなった株は枯れてしまい、下から新しい株がにょきにょきはえてきます。【T】
春なのに雪(平成28年3月1日)
今日から春。なのに昆虫館のまわりは寒く雪がちらつきました。外が寒くても温室の中は暖房がしてあるので展示しているチョウは元気いっぱい、といいたいところですが、じつは温室のすみの方までは温度が上がりきらないため、寒い日には夕方に温室を見回り、すみに入り込んで寒さで動けなくなったチョウを回収して真ん中の方で放す、という作業を行っています。そうしないと数日するとチョウが死んでしまうのです。手が届きにくいかなりすみっこに入り込んでいるものいるため結構大変な作業ですが、あたたかい春になるまでですからあともうちょっとのしんぼうです。【T】
バンダの花が咲きました(平成28年2月29日)
チョウの温室にはいろいろなランもありますが、その中では少数派のバンダの花が咲きました。バンダといえばセルレアという種を基にして改良した青い花の品種が普通ですが、これはトリカラーというあまり見かけない品種のようです。ランの仲間は残念ながら蜜がほとんど無くチョウのエサにはなりませんが、花が美しく温室の中が華やぎます。温室の滝の左側で咲いていますが、しばらくもつと思いますので見てみてください。【T】
花が無い!そこで考えた。(平成28年2月16日)
冬は花がなかなか咲かなくてチョウのエサにとっても苦労する季節。マダラチョウやタテハチョウの仲間は白いお皿でも脱脂綿を入れてスポーツ飲料で湿らせておけば匂いに引き寄せられて吸ってくれるのですが、アゲハチョウやシロチョウの仲間は目で見て花をさがすため、白いお皿では蜜を見つけられず吸ってくれないのです。そこでうんうん考えて思いついたのがこれ。真っ赤な毛糸をたばねて花みたいにしてスポーツ飲料をしみこませてみると…大成功!ジャコウアゲハ(左写真左側のチョウ)やシロオビアゲハ、シロチョウの仲間のツマベニチョウ(右写真右下のチョウ)やキチョウが寄ってきて吸ってくれました。おなかがすいていたんだね。たくさん作るのは大変なので少しだけど、花がたくさん咲く季節まで何とか一時しのぎです。ツマムラサキマダラ(写真の残りのチョウすべて)も匂いに引き寄せられてよってきましたよ。【T】
ほあほあなユーパトリウムが満開です!(平成28年2月8日)
長く更新せずにスミマセン…。がんばって更新していきたいと思います。
放蝶温室でユーパトリウムが満開になりました。ユーパトリウムは花の少ない冬に咲いてくれる貴重な種類。マダラチョウが好きなピロリジジン・アルカロイドという化学物質を蜜にふくむためオオゴマダラやツマムラサキマダラが吸いにきます。せっかくたくさんの株が満開なのに、ただいま昆虫館は工事で休館中。みなさんに見ていただくことができません。開館するまで咲いててくれるかなぁ…。
キク科のフジバカマに近い仲間で、咲き終わると綿毛になっちゃいます。【T】
あったかいんだから~!窓のすき間にナミテントウ!(平成27年3月2日更新)
この冬は冬越しのために新館のまどのすき間にたくさんナミテントウが入り込みました。まどを開けると、テントウムシが何匹も部屋の中に入ってきて困ったのですが、ナミテントウにはいろいろな模様のものがいて楽しくもあります。中にはこんなもようも…。ドクロか巨○兵?!【T】
マダガスカルオオゴキブリの赤ちゃんぞくぞくたんじょう!
マダガスカルオオゴキブリは子どもを生むとき卵ではなく、幼虫が直接お母さんゴキブリのお腹の中から出てきます。生まれたばかりの幼虫はまっ白でやわらか!体がかたまってくるとこげ茶色っぽくなってお母さんからはなれていきます。元気でそだてよ~。【T】
巨大なイモムシがいました!
昆虫館のそばにはえているクサギの木に超巨大なイモムシが5匹もいました。
なんと10センチメートル近くもあり、1匹はクサギの葉っぱをもっしゃもっしゃ食べていました。クロメンガタスズメというガの幼虫でしょう。もうすぐ土にもぐり、さなぎになって冬を越します。【T】
遠足の児童さんと、アサギマダラがやってきました!
前回の更新からずいぶんと期間が空いてしまいましたね。時が過ぎ去るのは早いものです。
さて、秋もいよいよ本番となり、昆虫館にも連日、遠足でたくさんの児童さんが来てくださっています。入口近くの花だんでは、ボランティアさんが植えてくださったフジバカマが満開で、フジバカマのみつが大好きなアサギマダラもやってきました。アサギマダラは渡り蝶。これからはるか沖縄に向かって旅立ちます。【T】
平成25年9月3日より新館でマミズクラゲの展示をはじめました!
奈良県吉野町にある津風呂ダムの方より、お盆のころからダム湖にマミズクラゲが発生しているので展示しませんかとのご連絡があり(ありがとうございます!)、さっそくいただいてきました。でもどうやって飼育したらいいのか何もかも手探りの状態。エサを食べさせるのにも一苦労…。
冷凍アカムシが使えると分かりましたが、触手につけただけではなかなか食べてくれず、クラゲのかさの真ん中にある口のところに1匹ずつピンセットで持っていきようやく食べさせることができました。食べたアカムシは消化するまですけて見えています。
マミズクラゲはその名のとおり真水(淡水)に生息するとてもめずらしいクラゲです。めったに見られない生き物をぜひ皆さんに見たいただきたく、できるだけ長く展示できるようにがんばりたいと思いますが、長生きさせるのがむずかしいらしく普通は1週間くらいで死んでしまうとのこと。いつ死んでしまうか分からないので、まだ展示しているかどうかはお早めにお電話でお問い合わせください。【T】
私、見たことある?
「あ、こないだ庭にいた!」と思ったあなた。
本当かしら?どちらにお住まい?
私はオオゴマダラの幼虫。
南西諸島という南の方にしかいないのよ。
食べ物だって、ホウライカガミという植物しか食べないんだから。
お間違いなく―。【Y】
ランの花かと思いきや(生態からのつぶやき)
ランのカマキリ…ハナカマキリです。ハナカマキリはとことんまで花に似せ、獲物に悟られない擬態です。
やってくるハチやアブも、0.03秒の早技で捕まえるぞー。
この写真はまだ成虫じゃないよ。成虫するとこんな感じ。
ずいぶんと姿が変わってしまったぁ~。
この姿では今までのランの上での狩りは無理。
大きな羽を広げて空を飛び、今度はパパイヤの花へと移動だ!!
上がメス、下がオス。メスの方がぐんと大きいのです。
【S】
はね広げ中
約2週間の蛹の期間を終え、ツマベニチョウが羽化しました。
蛹につかまってぷら~。翅がしっかりのびて乾くまで数時間かかります。翅が乾いたら、放蝶温室デビュー!
翅のうらは地味ですね、とか言わないでね。
表はこんなに鮮やかなんですがね…。
【Y】
パイナップルの育て方
もしパイナップルを食べたなら、ヘタ(冠芽)はとって置きましょう。
ヘタは数日乾かします(左)。
下の葉少し切り落とし、土にそっと植えましょう。
水のやり過ぎ注意して、待つことじっと約一年!
小さなパイナップルができるかも(右)
出来たパイナップルも食べられます。ちょっと小さいけどね。
【Y】
妖怪なんて怖くない
最近では、10月にハロウィンを楽しむ人もいると思いますが、日本のバッタには関係ない?モリバッタの展示室(新館)に、飾りのカボチャを入れていたら、がりがり食べられていました…。
左のカボチャは、当たってちょっと軟らかくなっていたところがあったようで、そこから食べられ始め、10日ほどで種だけ残して跡形もなく…。
【F】
すばやいんです
食草を採りに行ったときに、ささささっと動く影が…。
息をころして、そーっと撮影しました。
朝の散歩中の?カナヘビでした。
【F】
食草の話5
食草は温室で育てていますが、やはり冬の間は成長が悪くなります。
『食草は足りるか!?』この冬は寒かったこともあり、
少しハラハラしながら飼育をしていました。
5月に入り気温も上がって、ようやく新芽が伸びてきました。
どんどん伸びろー、ぐんぐん伸びろー。
ようやく伸び始めたツルモウリンカ。
リュウキュウアサギマダラの食草です。
【Y】
食草の話4
シロオビアゲハの食草であるミカンの葉は冬も枯れません。しかし、冬は新芽が出ず、硬い葉ばかりで、若齢幼虫は食べられなくなります。
そんな時、どうするか?
…これを与えてています↓
これは栄養豊富な飼料とミカンの葉っぱの粉を混ぜて固めたゼリー、みたいなもの。人工飼料と呼んでいます。これならやわらかくて、孵化したばかりの幼虫でも食べられるのです。写真のようにナイフで薄く切って与えます。
そろそろ春の足音が聞こえてきました。木々の芽吹きも、もうすぐですね。
【Y】
蛹フィーバー
たくさんの蛹達です。
この蛹が全部チョウになって温室で飛んでいる姿は見事でしょうね。
【F】
みんなでZZZ…
夕方になると飛んでいるチョウが少なくなります。
どこへ行ったの?と思っていたら
こんな所に止まっていたのね。
温室の上の方を一度見てね。
【F】
アサギマダラ、飛んでます
秋に昆虫館周辺で捕獲したアサギマダラから採卵し、幼虫を飼育しました。
年が明けてから羽化し始め、現在、放蝶温室で優雅に飛んでいます。
羽には寿命調査のため、生まれた日、雌雄(オス(↑)、メス(+))、個体番号を書き込んでいます。
アサギマダラは本州から南西諸島、台湾、中国と、海を越えて長距離移動することで有名です。長いものだと、その距離2,000キロメートル以上!
【Y】
しばらく寝ます
師走も半ば、冬本場となってきました。寒いですね。
昆虫館では温度管理をしているため、真冬でもチョウが羽化しますし、生きた昆虫を見ることができます。しかし、自然界ではそうはいかない。虫たちは寒い時期を冬眠して過ごし、じっと春を待つのです。
コンクリートの壁にくっついて寝ている
ジャコウアゲハのサナギを発見。
来春、羽化したきみに会えますように!
【Y】
スジクロカバマダラチョウの交尾
夕方、温室で採卵しているとスジクロカバマダラチョウのカップルを発見しました。
後翅に目のような模様があるのがオスです。
折り重なってなんとも美しい。しばらく自然の芸術に見とれていました。
【F】
シロオビ3レンジャー
こちらは今どんどん大家族になっているシロオビアゲハチョウの幼虫です。
新幹線のような形をしていますが、ねじりはちまきをした3人のおっちゃんにも見えます。
でもやっぱりかわいいのでした。
【F】
食草の話3
放蝶温室でひらひら、優雅に舞うオオゴマダラ。実は、彼らを飼育するための食草を、すべて昆虫館で栽培するのはとても大変なのです。そのため、昆虫館では沖縄の石垣島に圃場を持っていて、そこでオオゴマダラの食草であるホウライカガミを栽培しています。そして、週に1回程度、石垣からホウライカガミの葉を送ってもらい、それをオオゴマダラに与えています。
届いたホウライカガミ(左)。丁寧に洗って水をふき取り、幼虫に与えます。
【Y】
食草の話2
「あのー、これはウルシですか?」
時々、お客さんにこう聞かれることがあります。
確かにこの葉っぱの感じ、ウルシみたい…。触ったらかぶれる?!
でもご安心を。これはウルシではなく、ミカンの仲間のカラスザンショウといいます。だから触っても大丈夫。アゲハ類の食草のため、昆虫館のまわりに植えてあるのです。
【Y】
丸い胸部が可愛らしい
6本の角が愛嬌のある、ごろん、とした幼虫。アオスジアゲハです。
アオスジアゲハの幼虫は、街路樹や公園によく植えられているクスノキの葉っぱを食べます。
成虫は黒い羽に水色の筋の模様がとてもきれい。飛んでいるとついつい目で追ってしまいます。
【Y】
チョウは誰かのお家&ごはん?
皆さんこんにちは。さて、以前、外で見付けたチョウの幼虫を連れ戻り飼育することがある、とつぶやきました。実はそのような幼虫の場合、寄生バチに寄生されていることがあるのです。
写真のサナギは、外から幼虫を採ってきて育てていたナミアゲハのものでした。せっせと食草を与え、そろそろ羽化かなー、と待っていたのに…。いつの間にか蛹に大きな穴が開き、出てきたのはハチ!
外にいる間に寄生バチに卵を産みつけられ、ナミアゲハの蛹は食べられてしまったのです。自然界では、こんな風に敵も多く、卵から成虫になれるチョウはごくわずかなのでしょうね。
このハチはアゲハヒメバチといってアゲハチョウの幼虫にのみ寄生するハチです。
【Y】
バッタの抜け殻
皆さんはバッタの抜け殻をご覧になったことはありますか?
脱皮中は無防備になり命がけのため、草原のバッタたちは草に隠れて人知れず脱いでしまうので目にする機会も少ないと思います。
写真は当館で飼育、展示中のモリバッタの抜け殻です。目はもちろん触覚までそっくりそのままの、まさにライダースーツです!(補足:着ても変身できませんし、着られませんが)
精巧なガラス細工のようでとっても美しいです。
思わず沢山写真を撮ってしまいました。
自然の造形美には敵いませんね…。
【I】
スズメバチ展示中です!
現在、新館ではスズメバチを展示しています。
採ってきたコガタスズメチは展示までの間、麻酔をかけておきます。
刺されたら大変…。刺されないように注意深く作業します。
赤ちゃん生まれました。
新館で展示中のマダガスカルオオゴキブリに待望の赤ちゃんが生まれました!
昨年の12月に大人たちを展示室デビューさせて以来、「環境は気に入ってくれるかなぁ~、ちゃんと子どもを産んでくれるかなぁ~?」とスタッフ一同(私だけ?)首をながーーくして待っていました。
お母さんが7センチメートルなのに対して、シャーペンの先程しかありません。
かわいいですねぇ♪マダちゃんと名づけました。
他にもマダ太郎やらマダ美やら沢山いるのですが…。
みんなスクスクと育ってくれますように。
【I】
発見!
夕方、オオゴマダラの卵を採っていると、目の前で卵を産んでいるのを発見!
この卵も飼育室で大切に育てますね、お母さん。
【F】
虫に引き寄せられる…
ナミアゲハの幼虫がキハダ(ミカン科)についているのを見つけました。
チョウの幼虫をみると、採りたくなるのは職業病!?
そっと飼育室に連れて帰り、現在飼育中です。無事に羽化してくれれば、放蝶温室に放す予定です。
食草のはなし1
昆虫館ではチョウを育てるため、幼虫のエサとなる植物(食草 しょくそう といいます)を栽培しています。
放蝶温室で飛ばしているチョウは、ほとんどが本来、沖縄などの南の地域で分布している種類なので、その幼虫の食草も南の植物です。そのため、橿原市ではこれらのチョウの食草を露地で栽培するのは難しく、温室を利用しています。
写真の温室ではツルモウリンカ(リュウキュウアサギマダラの食草)、リュウキュウガシワ(スジグロカバマダラの食草)などを栽培しています。
【Y】
この記事に関するお問い合わせ先
昆虫館
奈良県橿原市南山町624
電話:0744-24-7246
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更新日:2023年03月28日