幼虫のはなし

更新日:2023年03月28日

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温室を舞うチョウ達の子ども時代のお話です。

幼虫のはなし

温室を舞うチョウ達の、子ども時代を紹介!

巨大幼虫、ゆるキャラ幼虫オオムラサキ(令和元年5月12日)

茎から体を持ち上げている様子の緑色をしたオオムラサキの幼虫の写真

日本の国蝶とされるオオムラサキは年に一度、初夏だけに成虫が見られるチョウです。成虫の胴体が大きいだけあって幼虫もとても巨大ですが、顔はとってもかわいくデフォルメしなくてもゆるキャラそのもの。昆虫館の畑にあるオオムラサキハウスで飼育していますが、もうすぐさなぎになります。ちなみに写真の幼虫が立ち上がっているのは自分を可愛く見せるため…ではなく、太陽に対して体を立てることにより、日光が当たる表面積を減らして体が熱くなりすぎないようにするためだと思われます。【T】

成虫はリュウキュウアサギマダラそっくり幼虫はアサギマダラそっくりのヒメアサギマダラ(平成30年4月8日)

黒地に黄色と白の斑点があるヒメアサギマダラの幼虫が茎にぶら下がるよう踏ん張っている様子の写真

ヒメアサギマダラの卵が少しだけ手に入ったので飼育を開始しました。成虫の見た目はリュウキュウアサギマダラそっくりで、少し小さく色を薄くしたような感じです。ただし分類学的にはアサギマダラに近い仲間のチョウで、そのためか幼虫はアサギマダラそっくりです。
累代飼育して増やしたいところなのですが、飼育が簡単な種類が多いマダラチョウの仲間にしては飼育下で羽化した成虫からふたたび卵を取るのが難しく、今のところたくさん増やすには至っていません。

黒地に黄色と白の斑点がある葉っぱの上で体をくねらせているアサギマダラの幼虫の写真

上からヒメアサギマダラの幼虫、アサギマダラの幼虫、リュウキュウアサギマダラの幼虫で、いずれもツルモウリンカというつる植物を与えています。一番下はヒメアサギマダラの成虫です。【T】

黒字に白の斑点があるリュウキュウアサギマダラが葉っぱの上にいる様子の写真
茶色と白の葉を広げているヒメアサギマダラの成虫の様子を撮影した写真

トゲトゲ虫だけどチョウの幼虫です!タテハモドキ(平成29年11月19日)

黒い身体に黒のトゲトゲがあるタテハモドキの幼虫が葉っぱの上を這っている様子の写真

長らく累代飼育が途絶えていたタテハモドキが今年になって復活しました。幼虫はこんなトゲ虫。でも毒はありません。おもにセイタカスズムシソウという草の葉っぱを与えています。昆虫館にいるチョウの中では小さい種類ですが、体に似合わずたくさん食べるので、セイタカスズムシソウが無くなるまでの飼育です。いつまで累代飼育が続けられるかな?【T】

超でっかい!夏型モンキアゲハの幼虫(平成29年7月17日)

右側のシロオビアゲハの幼虫と、左側一回り大きいモンキアゲハの幼虫を比較した写真

昆虫館のまわりに植えてあるカラスザンショウに大きなアゲハの幼虫がいました。模様からしてモンキアゲハかな?左側がそのモンキアゲハ、右側は比較のための昆虫館でたくさん飼育しているシロオビアゲハのさなぎになる直前の幼虫です。似た模様なのにサイズだけ全然違う…。日本のチョウではモンキアゲハ、オオゴマダラ、ナガサキアゲハが大きさトップ3。特にアゲハの仲間は夏のものが大型になります。だから幼虫もデッカイ。【T】

ナガサキアゲハの幼虫です!

緑色の体をしたナガサキアゲハの幼虫が茶色い角を出している様子を撮影した写真

私怒ってます!

身に危険を感じるとくさい臭角を出します。【F】

ミヤマカラスアゲハ

緑色のミヤマカラスアゲハの幼虫が8体、葉っぱの上を這っている様子の写真

幼虫が勢ぞろいです。

緑色をしたミヤマカラスアゲハの蛹になる状態を撮影した写真

こちらは前蛹です。【F】

オオゴマダラが!

黒と白のストライプに赤い斑点があるオオゴマダラの幼虫が2体並んでいる様子の写真

仲良く同じポーズで…。【F】

カラスアゲハの幼虫です

葉っぱの上を這っている緑色のカラスアゲハの幼虫を撮影した写真

頭でっかち しり…。【F】

体を張ったギャグ?

独特の顔立ちをしている緑色をしたオナガアゲハかモンキアゲハの幼虫を撮影した写真

アゲハの幼虫はてっきり美形のアイドル枠だけかと思ったら、こんなお笑い枠…。誰か鼻の穴を黒く塗っただろ、と思わせるようなおもしろい模様の個体。昆虫館周辺で見つかったのですが、模様が一致する幼虫が図鑑で見つからない。オナガアゲハかモンキアゲハかな?コクサギを食べてすくすく成長中。成虫が楽しみです。【N】

オオゴマダラの幼虫です

黒と白のストライプに赤い斑点があるオオゴマダラの幼虫が2体緑色の葉の上を這っている様子の写真
黒と白のストライプに赤い斑点があるオオゴマダラの幼虫が葉っぱの上を這っている様子を撮影した写真

幼虫でも全部模様がいっしょではありません。オオゴマダラではしま模様が違ったりしますが、今回見つけた幼虫の模様は少し違っていました。【F】

春の女神も、もともと毛虫

黒い体に黒い毛が生えているギフチョウの幼虫が2体葉っぱの上を這っている様子を撮影した写真

この毛虫は春の女神として有名なギフチョウの幼虫です。頭に見える黄色いものはアゲハチョウではおなじみのクサいツノ(臭角〔しゅうかく〕や肉角〔にくかく〕といいます)。普段は見えませんが、ギフチョウもアゲハチョウの仲間なのでつついたりすると頭からにゅっと出すのです。卵が産まれるのは春。幼虫はカンアオイの一種のミヤコアオイの葉っぱを食べて成長し、夏までにはすべてさなぎになって来年の春に羽化するまで眠りつづけます。【T】

こんなに大きくなります

大中小のジャコウアゲハの幼虫3体が並び、大きく成長している様子がわかる写真

ジャコウアゲハの幼虫に並んでもらいました。
卵(左上)からかえって、1齢→3齢→5齢(終齢)です。卵は直径約1ミリメートル。
ウマノスズクサを食べてぐんぐん大きくなります。

【Y】

鈴なり幼虫

カバタテハの幼虫が11体、編みにぶら下がって前蛹になっている様子を撮影した写真

カバタテハの幼虫が前蛹になったところです。
お尻を植物の葉や茎(ここでは網)にくっつけてぶら下がって蛹になります。

【Y】

毛のある卵…

黄緑色で毛が生えているカバタテハの卵がいくつも産み付けられた様子を撮影した写真

カバタテハはトウゴマ(ヒマ)の葉の表面に、黄緑色で毛のある卵を産み付けます。
1ミリメートルほどの小さな卵ですが、肉眼でもわかるほど毛が!
卵にも毛深いものがあるんですね。

【Y】

クロコノマチョウ

緑色の食草の上を這っているクロコノマチョウの様子を撮影した写真

黒い突起がかっこいいです。
クロコノマチョウはジュズダマ(写真後方)やススキなどイネ科の植物が食草です。
もぐもぐ、ほかの幼虫と並んで仲良く葉を食べます。

【Y】

シロオビアゲハ・3姉妹?

一つの茎に三体のシロオビアゲハが集まって蛹になろうとしている様子を撮影した写真

終齢幼虫になると3匹ずつカップに入れて飼育しています。
この子たちは3匹いっしょに前蛹(ぜんよう)になりました。

【F】

おなかいっぱい

緑色の体のナガサキアゲハの幼虫2体が葉の上を張っている様子を撮影した写真

僕たちナガサキアゲハ!これからごはんです。
さぁ~、食べるぞ~~。
食草のミカンの葉を食べておなかいっぱい。
2匹並んでお話しているように見えます。

緑色の体をしたナガサキアゲハ2体が直列で並んでいる様子を撮影した写真

【F】

こわい?

カラスアゲハの幼虫が頭を起こしている様子の写真
カラスアゲハの幼虫が頭を起こしている様子を撮影した写真

小さい恐竜?いえいえ、カラスアゲハの幼虫です。
少し体を横にしているのは、威嚇(いかく)しているのです。
体を左右に動かして威嚇(いかく)します。
でもどこかかわいく見えます。

【F】

同じ幼虫です

左側に緑色の、右側にライトグリーンのシロオビアゲハの幼虫が2体並んでいる様子の写真
下側に緑色の、上側にライトグリーンのシロオビアゲハの幼虫が2体並んでいる様子の写真

シロオビアゲハの幼虫です。どうして色がちがうの?
黄緑色の方はみかんの葉を、もう一方は人工飼料を食草として与えました。
するとこうして色が違う幼虫になりましたよ!!

【F】

もう食べるところがないよ~

5体の緑色をした幼虫たちが一つの葉を集団で食べている様子の写真

ぼく達昆虫館のアイドル?
いえいえ、ぼく達は食いしん坊。
もっと食べ物ちょうだいよ。

【F】

こわ~く見せるんです。

ツマベニチョウの幼虫です。
幼虫に刺激を与えると、頭を上げて威嚇姿勢をとります。口からは緑の液を出したりもします。
胸にある目玉模様が、本当の目玉に見えてにらまれているようです。まぶたがあるようにも見えますね。

網を這っている緑色をしたツマベニチョウの幼虫が頭を上げて威嚇する様子を撮影した写真

では本当の目玉はどこにあるかわかりますか?

小さいですが、先っぽの緑色の突起が顔なんです。本当の目は小さくて見えませんね…。

【F】

この子だれの子?

ただいま、飼育室では8種類のチョウの幼虫を飼育しています。
しかしまれになんですが、同じ幼虫の中に少し違った幼虫が生まれることがあります。

茶色に黄色の斑点模様がある幼虫の写真

茶色い体に黄色いてんてん。
この幼虫はみんなと体の色が違います。
さて、この幼虫は何のチョウの幼虫でしょうか?

左に黒地に黄色の斑点、右に茶色に黄色の斑点の2体のスジグロカバマダラの幼虫の写真

正解は?

スジグロカバマダラでした。
元気に成長中です。

この記事に関するお問い合わせ先

昆虫館
奈良県橿原市南山町624
電話:0744-24-7246
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