貴族・役人と庶民の食卓
昔も米におかずという食事は変わりませんが、食事の回数は1日2食でした。また、海が遠かったので、魚は現在のように刺身を食べることは難しく、干物やなれ鮨(ずし)が主でした。また、役所には、「大膳職(だいぜんしき)」という、今で言う給食センターの役割の役所があり、役人は大膳職が用意した給食を食べていました。では、実際に貴族と下級役人、庶民の食卓をのぞいてみましょう。
貴族は15品。内容もハスの実入りのご飯、焼アワビ、焼エビ、野菜のゆでもの、鴨とセリの汁など、山海の珍味が並ぶごちそうです。食器も金属器や漆器(しっき)といった高級品です。
下級役人は、7品。内容は玄米ご飯、魚の煮付け、カブの酢の物、漬物、野菜の味噌汁、酒粕をお湯に溶いたもの、塩。貴族と比べると見劣りがしますが、まだまだ多い皿数です。食器は土器を使用しています。
庶民は1汁1菜。玄米ご飯、ゆでたノビル(ネギの仲間)、アラメ(海藻)汁、塩。摂取カロリーはたったの407キロカロリー。明らかに栄養不足です。
当時は階級差が激しく、食事内容も大きく違っていたのです。毎日食べるなら、あなたはどの食事を選びますか?

下級役人の食卓

貴族の食卓(復原)

庶民の食卓
資料提供:奈良文化財研究所
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更新日:2024年04月11日