菖蒲池古墳

更新日:2023年06月15日

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(しょうぶいけこふん)

【国指定史跡】

菖蒲池古墳(しょうぶいけこふん)は橿原市の南東部、明日香村との境界線付近に位置しています。横穴式石室を埋葬施設としており、石室部分が国の史跡に指定されています。玄室内は柵越しではありますが、現地で見ることが可能です。
墳丘の形状はこれまで不明とされていましたが、2010年(平成22年)に行った発掘調査によって一辺約30メートル、二段築盛の方墳であることが明らかになりました。調査成果は下記のページをご覧ください。

両袖式の石室であることが判明していますが、羨道の大半が土に埋もれた状態であるため、石室の全長は不明です。玄室の下半部も土に埋もれていますが、奥壁および側壁は花崗岩の巨石を二段に積みあげていると考えられます。石室は玄室がやや長いものの、近鉄飛鳥駅そばにある岩屋山古墳(いわややまこふん)と似ていることが指摘されています。

玄室内には2基の家形石棺が、石室主軸にあわせて縦一列に安置されています。2基の石棺は屋根部分の形状が極めて特徴的で、いずれも天井部分が棟飾り風に仕上げられています。石棺の内側には漆が塗られています。このような石棺は他に例がありません。2基は同じ形状をもつことから、同一の工人によって作られたと考えられます。また、築造当初からふたつの棺を並べて安置する計画があったものと推察されます。

菖蒲池古墳の玄室に安置された、屋根部分の形状が特徴的な家形石棺を写した写真

玄室に安置された家形石棺

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