くらしの豆知識【契約の基礎知識】

更新日:2023年03月28日

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消費生活のほとんどは、「契約」を通して営まれています。

契約とは?

契約は、物を買ったり、借りたりすることです。クレジットカードを利用することもすべて契約です。「売ります」「買います」のように、意思が一致すると契約は成立し、お互いに契約を守る義務が生じます。

契約は、当事者の自由な意思によって行われることが原則(契約自由の原則)で、契約を結ぶかどうか、どのような内容で契約するかは、当事者がお互いに自由に決めることができます。しかし、契約が成立すると、正当な理由なくかってに契約をやめたり、勝手に変更することができません。

契約の成立

原則として、当事者が合意すれば、それが口頭であっても契約は成立します。契約が成立するのは、お互いの意思の合致があったときです。商品やサービスを購入したいと思って申込み、相手がそれを承諾したときに成立するものです。

「契約」という言葉を使うと、住宅の賃貸や住宅建築の注文をしたときのように、「契約書」を作成するような場合を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、「契約」とは、このような場合だけをいうのではなく、消費者が暮らしの中で代金を払って事業者から物品やサービスを購入する行為は、すべて「契約」となります。私たちが毎日、電力を使ってテレビを見る、スーパーマーケットで買い物をする、バスに乗る、文化教室に通うなどは、すべて「契約」を通して行っています。消費生活は、毎日様々な契約をしながら生活している、いわば、「契約社会」といえるでしょう。

契約の類型

民法では、13種類、商法は、9種類の契約類型を定めています。

A.売買契約

物品などの財産権の移転を受けて代金を支払うもの(民法555条)

B.消費貸借契約

金銭などを借受け、これと種類、品質・等級、数量の同じものを返すことを約束するもの(民法587条)

住宅ローンなどがこれにあたる。

C.賃貸借契約

不動産や物を使用させてもらい、これに対して賃料を支払うもの(民法601条)
マンションの借家契約などがこれにあたる。

D.請負契約

一定の仕事を完了してもらい、これに報酬を支払うもの(民法632条)
住宅建築の請負や呉服の仕立てなどがこれにあたる。

E.委託契約

  • 法律行為をすることを委託(代理人として契約してもらうことの委託など)
  • 専門的な事務の処理を委託するもの(民法643条)

弁護士等専門家への委託、医師の診療を受ける医療サービス、学校や学習塾など

F.寄託契約

物の保管を頼むもの(民法657条、商法593条)
ホテルの貴重品預かり、クロークなどがこれにあたる。

G.和解契約

争いがあるときに、お互いに譲歩して争いをやめる契約(民法695)
いわゆる示談がこれにあたる。

H.運送契約

物品または旅客を運送する契約(商法569条)

I.保険契約

偶然の事故によって生じた損害を補償してもらうことを約束して報酬(保険料)を支払う(商法629条)損害保険など

人の生死に関して一定の金額を支払ってもらうことを約束して報酬(保険料)を支払う(商法673条)生命保険など

契約の無効・取消

契約が成立しても、契約の成立にに次のような問題がある場合は、無効になるか、取り消すことができます。

1.最初から無効となるもの

  • 公序良俗に反する契約(民法90条)
  • 強行規定に反する契約(民法91条)
  • 契約した一方の錯誤(思い違い)で成立した契約(民法95条)
  • 消費者の利益を不当に害する条項(消費者契約法8から10条)
    • 損害賠償の責任を事業者が一切負わないとする条項
    • 不当に高額な解約損料や遅延損害金を定める条項
    • 消費者の利益を一方的に害する条項

2.取り消すことができるもの

  • 法定代理人の同意を得ていない未成年者の契約(民法4条)
  • 成年被後見人の行った契約(民法9条)
  • 保佐人の同意が必要な契約で同意を得ていないもの(民法12条4項)
  • 補助人の同意が必要な契約で同意を得ていないもの(民法16条4項)
  • 詐欺や脅迫によって成立させられた契約(民法96条)

契約の解除(クーリング・オフ)

いったん契約が問題なく成立した場合でも、契約を解除することができます。

1.クーリング・オフ制度による解除

訪問販売による契約など一定の契約については、特定商取引法等のクーリング・オフ制度により無条件で契約解除することができます。

2.中途解約制度による解約

特定商取引法の連鎖販売取引や特定継続的役務提供については、クーリング・オフ期間経過後も、理由のいかんを問わず解約できる中途解約権が保障されています。

3.合意解除

当事者間の合意があれば、公序良俗に反せず、その他特別の事情がない限り契約は解除できます。

4.民法に基づく法定解除

契約当事者の一方が契約を誠実に履行しないときは、他方は契約の解除や損害賠償の請求ができます。

  • 債務不履行(民法415条):当事者一方が契約の内容を誠実に履行しない場合
  • 履行遅滞(民法541条):期日が来ても相手方が契約を履行しない場合
  • 不完全履行(民法493条):履行が不完全なため契約の目的を達成できない場合
  • 履行不能(民法543条):契約の履行が債務者の責任で一部または全部ができなくなった場合
  • 瑕疵担保責任(民法570条):契約した目的物に瑕疵があって契約の目的を達成することができない場合

契約の前にしっかり確認しましょう。

契約書を取り交わす際には、契約書に記載されている内容について,以下の項目を十分にチェックしてから契約されることをお勧めします。 なお,契約書の内容と口頭の説明が違う点や疑問点があれば注意が必要です。必ず事業者に確認し、納得いかなければ契約しないことが大切です。

チェック・ポイントと詳細内容が記載された表

チェック・ポイント

詳細内容

1.いつ

契約をした日

2.誰と

事業者名・住所・連絡先

3.何をいくつ

商品名・種類・数量

4.いくらで

単価・価格・その他手数料など

5.どんな支払い方法で

現金払い・分割払いなど

6.いつまでに

納入日時・譲渡日時など

7.解約したいときは

解約に関する取り決め条項

8.解約の際には

損害賠償・違約金に関する取り決め条項

この記事に関するお問い合わせ先

市民協働課(自治振興・生活安全担当)
奈良県橿原市八木町1-1-18(市役所本庁舎)
電話:0744-47-2638
お問い合わせフォーム

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