東坊城のホーランヤ

【県指定文化財】
東坊城町の八幡神社、春日神社を中心に毎年8月15日に行われる盛大な火祭で、町内の6つの小字から大小それぞれの松明に火をつけ、持ち寄って行われます。松明の大きなものは長さ4メートル・直径2メートル・重さ500キログラムもある巨大なものです。
この行事は、1年を2期に分けて考えていた古い時代に、正月の左義長(さぎちょう)火祭と対称とされる後半期初頭の火祭で、生活安泰のために災厄を祓う行事でありました。それが盆行事と結びついて、盆の火祭となり、他地方の盆の柱松明と同じ性格をもったものです。
盆の火祭が神社の境内で行われることについては、神仏習合の時代を経たこと、大日堂が八幡神社境内にあることなどによりますが、同時に氏神は村落の象徴であったからではないかと考えられます。
いずれにしても村落住民全体の行事として永く伝承された行事であり、夏の火祭としては県下でも代表的なものとして、昭和57年(1982年)に奈良県の無形民俗文化財に指定されました。令和2年(2020年)には、日本各地にみられる大火を焚く行事のうち、正月と対比される盆の火焚き行事の、奈良県下でも希少な伝承例であるとして、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」(選択無形民俗文化財)に選ばれました。
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更新日:2023年03月28日