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(みなみやまこふんぐん)
南山古墳群は香久山の南東部、現在は市営斎場および昆虫館がある丘陵上に存在していました。古墳群は古墳時代前期末から中期後半にかけての時期に築かれた5基の円墳からなります。
南山古墳群を有名にしたのは4号墳の存在です。4号墳は直径約18mと比較的小規模な古墳ながら、墳頂部からは陶質土器(とうしつどきわ)の動物形異形高坏、四口連環壷、小型器台、墳丘斜面上の副室(副葬品を納めるための施設)からは鉄鋌(てつてい)、鉄鏃(てつぞく)、馬具(轡(くつわ))、などといった豊富な遺物が出土しています。陶質土器や鉄鋌は朝鮮半島、とくに伽耶との深い関わりが想定される遺物です。これらの遺物は、4号墳の被葬者の性格を表すとともに、当時の社会情勢を色濃く反映したものとして貴重な資料です。
南山古墳群を築いた人々は、その立地から、飛鳥盆地北方を拠点とした人々である可能性があります。後に都が築かれる飛鳥地域の前史を知る手掛かりと言えます。
南山4号墳出土 動物形異形高坏
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